ZL-P DISCOVERY

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【現れた未来人(2)】破産するアメリカ(ジョン・タイター)

前回の記事

zl-p.hatenablog.com 前回の記事ではジョンタイターのタイムトラベルの理論を考察しました。今回はジョンタイターの語る未来について考察してみようと思います。ジョンタイターはアメリカ人なのでアメリカの未来についても語っていますが、その内容はあまり明るいとは言えないものであり、当時の人たちも戸惑ったようです。まずはジョンタイターが語る2036年アメリカの状況に関する発言を見ていきましょう。本記事ではジョンタイターの発言を赤文字、彼の母親のコメントを緑文字、ジョンタイターに質問した人々の発言を青文字で記載することとします。

 

ジョンタイター:

2036年のことははっきりと覚えています。けれども2036年のことを詳しくお話するなら、物事が今とすっかり変わった事情を説明しないといけないでしょうね。2036年には、私は家族と一緒にフロリダ州中央部に住んでおり、タンパにある軍の基地に配属されています。2015年に世界戦争が起こり、30億人近くの人が死にました。

生き残った人々は、互いに身を寄せ合うようになりました。家族中心、そしてコミュニティ中心の生活を送っています。両親から数百キロも離れて暮らすことなど想像もできません。

不要な食品や娯楽用品を大量に生産する大規模な工場はまったくありません。食物や家畜は現地生産・現地販売されます。読書やおしゃべりに現代の人々よりもずっと多くの時間をかけます。信仰に厚く、誰もが暗算で掛け算や割り算ができます。

 

戦後、今ある偏見の大部分は、単に必要性ゆえに一掃されました。生き残るためには力を合わせて戦わねばならなかったのです。このため自然と、仲間の価値に対して目を見開かされることとなりました。同じ敵を相手に戦って、生き残り、水を見つけ、食物を育てようとしているときに、肌の色など関係あるでしょうか?私の世界線では、コミュニティで自分の職責をちゃんと果たさない人に偏見を抱きます。私たちにとっての重荷だという目で見るのです。それを恥じた人はやがて責任を自覚するようになります。

 

戦争の後、アメリカは様々な要素やそれぞれの軍事目的に従って5つの地域に分けられました。連邦政府には怒涛のような怒りが向けられ、州権の復活が最重要課題になりました。しかし、経済中心型の政府を作ろうとするなかで、軍事的指導者たちが古いシステムを政治的、また、精神的に受け継いでいることを示すため、最後の憲法制定会議を開くことにしたのです。

この会議の最中、指導者たちは、より良い新たな形の政府を作るのは不可能だということに気づきました。元の憲法それ自体には問題はなかったのです。ただ、そのもとで暮らしている人間の愚かさこそが問題だったのです。

 

戦争は人々に非常に深刻な影響をもたらし、それによって他人との関わり方も変わってきました。個人としては、2036年に生きる人々はたいてい、死をとても身近なものに感じています。皆が、愛する人々を病気や戦争、その他の非人道的な行為によって亡くしたためです。さらに、ほとんどの人が、自分も敵側の人々に対して同じことをしたのです。その結果、私たちは自分の愛する人々に対しては非常に愛情深くなりましたが、自分の責務を果たさない人間には厳しい目を向けるようになりました。私たちはコミュニティの中に自分と違うところを持った人がいても、広く受け入れることができます。なぜなら、生き延びるためにはお互いの力が必要だからです。また、資源の無駄遣いをやめ、神を身近に感じるようになりました。それはしばらくの間、地球が地獄と化していたからです。

 

核戦争は非常に望ましくない事態です。けれども、だからといって世界が終わるわけではありません。いまだに立入禁止の区域や都市もあり、環境は大きく損なわれましたが、私たちはすでに復興に向かって進んでいます。広島も今や大都市として栄えているのではないですか?身体的な影響としては、皮膚病、不妊症、感染症などが中心です。ほとんどの人が、何らかの形で戦争の後遺症を抱えています。

 

 アメリカといえば浪費社会のイメージがありますが、ジョンタイターの語る未来のアメリカはかつてのアメリカとはかけ離れており、もはや大量消費社会ではないようです。「両親から数百キロも離れて暮らすことなど想像もできない」と言っていることからクルマ社会でさえもなくなっており、読書とおしゃべりが娯楽というところに経済的な厳しさが伺えます。

 彼の世界線アメリカ人は非常に勤勉であり(あのアメリカ人が暗算を!?)、他人との協調性を重んじているようです。なんだか彼らが日本人にかなり近くなっているように見えるのは気のせいでしょうか。さらに偏見の眼差しにより相手に恥を覚えさせるあたりが如何にも日本人という感じがします。経済的に厳しい状況になるとどの国もそんな感じになってしまうのかもしれません。

 「5つの地域に分けられた」「憲法制定会議を開いた」とありますが、これは植民地化される国によく起こる現象です。日本は太平洋戦争後に台湾と朝鮮半島などを切り取られたり、日本国憲法の制定を強制されたりしましたが、同じようなことがジョンタイターの世界線におけるアメリカでも起こったのだと思われます。

 

ジョンタイター:

2036年でも)タイムトラベルを信じていない人が大勢いるのです。あなたは、本当に地球が回っていると思いますか?

はい、コンピュータ科学は重大な進歩を遂げています。サポートシステムについてほとんど何も考えず、いとも簡単に「マシン」そのものに集中できるようになっています。それから、たいしたニュースではないかもしれませんが、「if/then」方式は廃れ、「if/then/maybe」方式が主流になっています。

 

 「if/then/maybe」方式の方に意識が行きがちですが、ジョンタイターはそれをたいしたニュースではないとしており、むしろその前に書いている「サポートシステム」の方が重要であると思われます。これは想像ですが、プログラムの仕方そのものが変わってしまったのではないでしょうか。従来はプログラムコードを人間が考えながら書き込んでいましたが、その作業が「ほとんど何も考えず」行えるようになったと読めるからです。AIに技術的な革新でも起きたのだろうか。

 

ジョンタイター:

はい、娯楽産業は存在します。ただ、勢力は分散しています。ビデオを使って自分を表現するテクノロジーが使いやすくなったため、自分1人、もしくは少人数のグループで作品を作る人が増えているのです。配信はほとんどウェブを使って行われます。この時代の劇場のようなものですかね。

 

 Youtubeのことを言っているように見えますが、まだYoutubeがなかった2000年頃に書き込まれた内容であるという点に注意する必要があります。例え彼が偽物のタイムトラベラーであったとしても、こういった書き込みができること自体がすごいことだと思います。

 

掲示板の住人:

あなたは機械式タイプライターが将来再びメジャーな機器になると言いながら、インターネットもまだ存在していて広く使われているとも言っています。

ジョンタイター:

正確には、「・・・多くの人がタイプライターを使っていることに驚くかもしれませんね」と言ったのです。いったい何が矛盾しているのかわかりません。タイプライターを使うことに問題がありますか?少なくとも、コンセントを差し込まなくていいというメリットはありますよ。

 

 この文章からジョンタイターの世界線におけるアメリカの電力事情が非常に厳しいことが分かります。現在(2022年)でもすでに電力事情は厳しくなりつつあり、この点に関して彼の世界線と私たちの世界線は同じ事情を抱えているようです。

 

 ではどうしてジョンタイターの世界線はこのようになってしまったのか、その経緯を彼の発言から見ていきましょう。

 

ジョンタイター:

私は1998年に生まれました。子供時代の記憶には、皆さんと共通するものもあるでしょう。クリスマスにディズニーワールドに行ったことや、デイトナのビーチに行ったことを覚えています。「内戦」が始まり、それが激化すると、ほとんどの人は、都市で防護処置という名の下で公民権などないも同然に暮らすか、都市を離れて隔離性の高い地域で田舎暮らしをするかの、決断を迫られることになりました。私たちの家は一度家宅捜索を受け、通りを隔てた家の住人はよくわからない理由で逮捕されました。そこで、私の父は都市を離れる決意をしたのです。

 

私は8歳から12歳の間のほとんどの時期を、都市から離れた農村のコミュニティで過ごしました。そこでは他にも、連邦警察や州兵との戦いから逃れてきた家族が生活していました。その頃には、私たち一家は二度と都市に戻らないことを決めていましたし、「都市」と「郊外」の対立関係は明確なものになっていたのです。父は12ボルトの電気システムを組み立てたり、フロリダの海岸を船で行き来して「物資」を売ったりして生計を立てていました。私もずっと父の手伝いをしていました。その頃には、あちこちで大っぴらに戦闘が繰り広げられており、私は2011年にショットガン歩兵部隊に入りました。そこで4年間、「ファイティング・ダイヤモンドバックス」で兵役に服したのです(今、私の右耳の聴力はあまり良いとは言えない状態です)。内戦は2015年に終わりました。ロシアがアメリカの都市(つまり私たちの敵)と中国、ヨーロッパを攻撃したのです。とても普通とは言えない、最悪な子供時代だと思われるかもしれませんが、私にとっては何物にも替えがたい時期でした。

 

2008年という年は、自分たちが住んでいるこの世界はもう終わりだと皆が気づき始める年です。アメリカの内戦が2004年に勃発します。ウェーコ事件が毎月起き、それが悪化の一途をたどったようなものです。この紛争は、2012年までにはアメリカの全国民を疲弊させ、2015年に、ごく短期間だった第三次世界大戦と共に終結します。

 

中国やヨーロッパも攻撃を受けます。アメリカは反撃に出ます。アメリカの都市は破壊され、同時にAFEアメリカ連邦帝国)も崩壊し・・・そして(田舎に住む)私たちが勝利を手にします。ヨーロッパ連合と中国も破壊されます。今ではロシアがアメリカの最大の貿易相手国であり、アメリカの首都はネブラスカ州オマハに移りました。

 

ロシアに攻撃されたアメリカの中の「敵」とは、今あなたたちを支配している政府のことです。

 

 ジョンタイターの壮絶な子供時代が語られます。ディズニーワールドからいきなり内戦に突入するあたりが展開の速さを感じさせます。ところで最近「防護処置という名の下で公民権などないも同然に暮らす」人々を見たことがあります。2020年から始まったコロナ騒動の初期の頃、欧米では感染症対策という名の下で公民権などないも同然の暮らしを人々は実質的に強制されていました。多くの人々がそれに反発して各地で大きなデモが繰り広げられましたが、あれが戦闘にまで発展したのがジョンタイターの世界線における「内戦」だったのかもしれません。そういう意味では私たちの世界線はジョンタイターの世界線より遅れているように見えなくもありません。ただし私たちの世界線の指導者たちの方が民衆に対して実際に起きていることを隠そうしている印象を受けます。ジョンタイターの世界線で起きた戦争は一言で表現するなら「西側世界の指導者層が暴走して最終的にロシアに潰された」と言えますが、私たちの世界線でも同じことが起きるのか低見の見物といきましょう。


ジョンタイター:

ロシアと中国はこれまでもずっと、とても奇妙な関係を続けてきました。この世界のニュースを見ていても、兵器条約を結ぶだの結ばないだの、国境での紛争だの、人口過剰だの、対立につながる要素が次々出てくるのがわかります。今後、西側諸国の情勢はきわめて不安定になり、中国に「拡大」する自信を与えてしまいます。皆さんもすでに気づいていることと思いますが、中国には今、結婚もせず死にゆく覚悟ができている男性兵士が何百万人もいるのです。中国軍のヨーロッパへの攻撃は、統一ヨーロッパ群が結集し、ドイツから東側へと移動していったためです。さらに、私の視点から言えば、ロシアは私たちの敵でもあるアメリカの都市に攻撃を仕掛けたこともお忘れなく。はい、アメリカは反撃に出ました。

 

 私たちの世界線ではロシアと中国は同盟関係にあり、ジョンタイターの世界線とは違っているように見えます。同盟関係であっても突然裏切って攻撃するということは世界の歴史上よくあることですが、今の情勢でロシアに中国を攻撃する理由があるようには思えません(共産党がロシアに依頼すれば話は別ですが)。

 一人っ子政策により男女比が偏ってしまったために結婚もせず死にゆく覚悟ができている男性兵士が中国には多いこと、EUがドイツから東側のウクライナまで影響圏を広げようとしていることは、私たちの世界線と共通しています。EUと中国の関係が今後どうなっていくのか注視していく必要があります。

 

掲示板の住人:

朝鮮半島は統一されたのですか?

ジョンタイター:

そう言ってもいいでしょう。日本、台湾、朝鮮半島はすべて、Nデーの前に「強制併合」されました。

 

 ジョンタイターの世界線における未来の日本が唯一出てくる記述です(他では真珠湾を攻撃した国としてよく登場します)。日本は強制併合されたとしか書かれておらず、どの国に強制併合されたかまでは書かれていませんが、文脈から考えて恐らく中国だと思われます(ロシアの可能性も微レ存?)。

 Nデーとは第3次世界大戦が勃発した日ではないかと思われますが、どうして強制併合がNデーの前なのかが気になります。もしかして日本・朝鮮半島が併合されることが第3次世界大戦勃発の条件になっているのかもしれません。もしそうだとすると日本と韓国にアメリカ軍が駐留し続ける限りジョンタイターの世界線で起きたような第3次世界大戦は起きないことになります。なぜそうなるのかは分かりませんが・・・日本と韓国の原子力発電所が関係している?(【隠されたエネルギー(2)】エネルギー大国日本 - ZL-P DISCOVERYを参照)。

 

 ではジョンタイターは何がこの戦争の原因だったと考えているのか、彼の意見を見ていきましょう。

 

ジョンタイター:

手を貸してくださるという申し出はありがたいのですが、私は大丈夫です。「惨事」の責任はあなたたち自身にあります。しかし私はそれを悲惨な出来事とは考えていません。「再生」はしばしば苦痛を伴うのです。私の世界線は1つの政府の元に統一されてはいませんが、統一的な目的を持った状態に近付いてはいます。いずれにせよ皆さんもそれが望みなのではないですか?

 

掲示板の住人:

第三次世界大戦の原因は?阻止することはできますか?

ジョンタイター:

アメリカの内戦中に政策を誤ったことと、西側世界の指導者層が自暴自棄になったことによって起こります。そうですね、阻止は可能だと思います。

 

なんといっても人口過密問題があの戦争の大きな原因と考えられているのですから。

 

掲示板の住人:

内戦に人種的な要素はありますか?

ジョンタイター:

いいえ、むしろ内戦の激化によって、人種問題が解消してしまったほどです。

 

起こり得る未来を知っているからといって、それを実際に起こすことができるとは思いません。あなたたちは、今すぐにこの世界線を良いほうに変えることだってできるのです。私が言ったことに、驚くようなことは1つもないでしょう。どれも、10年、20年、いや30年も前から始まっていたことです。イラクが現在、核兵器を持っていると聞いて、あなたは驚きますか?それとも、皆の尻をたたいて、次の戦争に備えさせるためのたわ言だと思いますか?

 

 ジョンタイターは惨事の原因を「あなたたち自身」「政策の誤り」「指導者層の自暴自棄」「人口過密問題」にあると考えており、人種的な要素はなく、30年も前から始まっていたことだとしています。しかし私から言わせればジョンタイターは色々なところに原因を求めすぎていて実際に世界で何が起きていたのかを分析しきれていないように見えます。というのも「いつも現象の結果は複雑だが、原因は単純である」からです。つまりジョンタイターが挙げたのは原因に見える結果であって原因ではないように思えます。

 私はこの惨劇の原因は西側諸国(アメリカとその背後にいるイギリスやスイスなど)の借金問題にあると考えています。表に出ているだけでも2022年現在のアメリカの負債額は約31兆ドルに達しており、昔から破産するのは時間の問題だと言われつづけてきました。多額の借金を背負った人間はたいてい自暴自棄になるものですが、国家として自暴自棄になったのがジョンタイターの世界線におけるアメリカだったのではないでしょうか。破産の清算にはある程度の痛みが付き物ですが、それが世界規模の清算となれば凄まじいことが起きることは避けられません。ジョンタイターの世界線ではそれがアメリカの内戦であり、第3次世界大戦だったということなのかもしれません。そしてジョンタイターはこれらの清算が必要なことだったとしています。しかし私にはもっと違った清算の仕方があったのではないかと思えてなりません。少なくとも人々が残酷に殺されることを必要なことだったと言って切り捨てたくはありません。そもそもアメリカが1971年に覇権を放棄して破産しておけばこんなことにはならなかったのではないでしょうか。あのときならまだ傷は浅く済んだだろうし、アメリカの破産延期のために世界各地で戦争が起きることもなかったはずです。アメリカの破産処理に関しては、ジョンタイターの世界線のようなハードランディングではなく、平和的なソフトランディングを願うばかりです。

 ジョンタイターはイラク戦争には言及していませんでしたが、イラク核兵器保有については言及しています。私たちの世界線では大量破壊兵器を所有しているとしてアメリカに侵略されましたが、後に大量破壊兵器は見つかりませんでした。ジョンタイターの世界線では大量破壊兵器核兵器になっている点と、イラク戦争の代わりに内戦が勃発している点が私たちの世界線とは異なっています。イラク戦争911事件が遠因になっていますが、ジョンタイターは911事件について何も言及していないことから以下のような推測ができます。

 2000年問題が起きなかったことにより911事件が発生し、アフガニスタン侵攻やイラク戦争へと繋がった。大きい事件というのは何年も前から準備されているものであり、ジョンタイターの言うように10年、20年、30年も前から始まっているものです。プランA2000年問題アメリカ内戦」が発動しなかった代わりにプランB911事件イラク戦争」が発動したのかもしれません。ここでいうプランとは支配者層が自分たちが負っている責任(債務)から逃れようと足掻くために計画したシナリオのことを言います。

 

掲示板の住人:

ジョンによると、民主党共和党の間で内戦が起こり、それがのちに第3次世界大戦に発展するのだそうです。しかも、その戦争は私たちにとって有益だというのです。

ジョンタイター:

私は、内戦が民主党共和党の間で起こるものだと言った覚えはありません。記憶違いなら、どうぞ指摘してください。それに、正確に言えば、内戦が「発展」したのではなく、内戦状態になることで他の国に攻撃のチャンスを与えてしまったのです。はい、私はこの戦争は社会にとって有益だったと思いますし、そのことについての議論なら喜んでお受けします。

 

掲示板の住人:

ここへ来たのは大統領選挙を見るためですか?

ジョンタイター:

私は、「選挙」という言葉は少々用心して使いたいですね。今なら、将来内戦が起こることも納得しやすいのではありませんか?

 

掲示板の住人:

アメリカ国内で安全な地域はありますか?

ジョンタイター:

最近の選挙における群ごとの投票結果をじっくり見てください。

 

 ジョンタイターは政党間の争いを超えたところに内戦の原因があり、共和党民主党の戦争ではないとしていますが、両党の対決であるアメリカ大統領選挙が関係していることは認めています。どうやら大統領選挙というのは国家の問題に対してどう対処していくかを決める重要なプロセスの役割を果たしていることは確かなようです。

 2000年のアメリカ大統領選挙は大接戦でしたが、票の集計でかなりモメた選挙でもありました。ジョンタイターの母親はこのときジョンタイターはかなり動揺していたと振り返っています。人が動揺する時というのは自分が思い描いているシナリオとは違った展開が進行しているのを見たときであり、すでにこの大統領選挙のときからジョンタイターの世界線とのズレの大きさは目に見える形になっていたと思われます。2000年問題が起きなかった影響なのでしょう。

 またジョンタイターは大統領選挙における群ごとの投票結果を見ると内戦時における安全な地域が分かるとしています。このブログ記事を書いているのは2022年なので参考として前回行われた2020年の大統領選挙結果を見てみましょう。

2020年アメリカ大統領選挙の群ごとの集計結果
https://www.latimes.com/projects/2020-presidential-election-live-results/


 基本的に民主党は都市部、共和党は田舎で強いと言われていますが、ジョンタイターは別の書き込みで都市部は攻撃の対象になると言っていたことから共和党が勝った赤い群にいれば生き残る可能性が高まると推測できます。都市部が危険であることはジョンタイターの以下の発言からも分かります。

 

ジョンタイター:

はい、EMPによって、大量の電子機器が破壊されました。私たちの世界で信頼性の高いテクノロジーが手に入りにくいのも、それが1つの理由です。ただ、Nデーの開始当初、ロシア軍は高空での爆発は起こしませんでした。きっと、私たちがその後政府軍を一掃するものと踏んで、都市の外にいる人々がお互いに連絡を取り合うことができるようにしておいたのでしょう。都市を狙った弾頭はほとんどが3発ずつ発射され、地表近くで爆発しました。そのため、EMPによって深刻な被害を受けた地域は、都市部に集中しています。皆さんが私たちの世界のインターネットを見たら、感心することでしょう。ネットワークを構築するのは、それぞれ独立した電源内臓式のモバイルタイプの端末で、どこでも使うことができます。今のあなたたちの携帯電話によく似ていますね。

 

 たまにネット上でEMP攻撃によってネットが使えなくなるという噂を目にすることがありますが、すでにジョンタイターが2000年頃に書き込んでいた内容だったようです。ニュース記事などではEMP攻撃ではなく太陽フレアによってネット遮断が起きるかもしれないと報道されることがありますが、EMP兵器の存在を隠すための方便なのかもしれません。ジョンタイターによるとこの戦争では他にも新しい兵器が使用されたようです。どういったものか確認しておきましょう。

 

掲示板の住人:

戦争では、生物兵器化学兵器、その他の兵器は使われますか?

ジョンタイター:

生物・化学兵器は使われました。洗脳兵器は使われませんが、新しいタイプの「非致死兵器」が登場します。それは結局、致死性が極めて高いものでした。

 

今のところ、あなたたちに「マインドコントロール」の手段が使われているとは思えません。しかし、非致死兵器システムとして開発されたものが、実は十分に殺傷能力を持っていたという例ならいくらでもあります。私はこの世界のテレビ番組で、SWATのチームが非致死兵器を用いている場面を何度か見ました。たいていはこんな調子で始まります。「将来、軍隊と警察は新たな兵器システムで敵に立ち向かうことになるだろう・・・」そこで使われている「敵」という言葉、それはあなたたちのことを指しているのですよ!まさか、海兵隊が外国の上空で、ネバネバした捕獲剤に、コショウのスプレー、協力ストロボライトを持ってヘリコプターから飛び出すなんて、本気で信じてはいないですよね?

 

 新しい兵器は「マインドコントロール」に関係しており、実は殺傷能力があり、そして一般市民に対して使用するために開発されたものであるようです。国家が背負っている負債を清算するときには(どんな形であれ)重税を一般市民にかける必要があり、当然それに対して一般市民が反発することが予想されるので、政府はこういった兵器開発に勤しんでいたと考えられます。

 

 私たちの世界線に対するジョンタイターの見解も見ておきたいと思います。

 

ジョンタイター:

この世界線には信じられないほどの自由があり、それは素晴らしいことです。しかし、そこには落とし穴があると思うのです。自由の代償として、家族や地域と連帯感を失ってしまったのではないでしょうか。野望を自己実現することはできますが、そのために周囲の人やこれから生まれてくる子供たちにどれだけの犠牲を強いるのでしょうか?ここには信じられないほど多くの芸術、文学、限りない資源が利用できる環境がありますが、結局誰もがテレビばかり見ていて、それらを生かしていないではありませんか。

 

また、頑なに何かを信じるというのは危険です。あなたたちの社会を見て、とても気がかりに感じたのは、皆さんは言われたことを盲目的に受け入れてしまうという点です。本当に、報道の世界には、筋書きがないと思います?体に詰め込んでいるあの手のハンバーガーが本当に安全だと思います?政府が本当に真実を言っていると思います?どれ1つをとってもいったいどんな証拠があると言うんです?

 

未来では、「物質主義的人間」を崩壊に導いた戦争前の集団心理について社会学者たちがおおいに議論を戦わせています。学者の多くは、1970年代と80年代に行われた実験に着目しています。

その実験では、何匹かのネズミをケージに分けます。ケージのサイズも、与える食事も、掃除の周期も様々です。実験の結果、どのグループであろうと、空間に対するネズミの数がある一定の割合を超えると、攻撃的、破壊的な行動に出ることが発見されました。そして、それは死んだり殺されたりして、その割合以下になるまで続けられるのです。これは、食料が十分与えられ、毎日掃除が行き届いた場合でも同じでした。

私は誰かが道路上で困っていたり、空のガソリン容器を手に道肩を歩いているのを見たとき、時折起こる学校や職場での発砲事件や暴力的なビデオゲームに加え、この実験のこともついつい考えてしまいます。私は両親に、車を止めて助けてやろうよと言うのですが、両親は、「知らない人を助けたりしてどんなことになるかわかったもんじゃない」と言います。「人を助けるのがぼくたちの務めだよ」と私は言い返したものですが、別にそれが正しい行いだからというだけではなく、その人が本当は価値ある人物で、その人を失うのがどれだけの損失になるかわからないからです。

私は、とある医者が事故の被害者に救急処置を施したが死んでしまったことで訴えられたというニュースを見るまで、なぜ両親がそこまでかたくななのか本当のところよくわかっていませんでした。あなたたちの社会は生物学上、自滅に向かって設定されています。それでも、私はこのコミュニティの一時的な住人として、それは自分の責任を逃れる言い訳にはならないと思っています。

 

 ジョンタイターから見て当時のアメリカは末期症状を発症しているように映ったようです。物質主義的な人間たちの行動により未来の子供たちが犠牲になっていたことは以下の発言から分かります。

 

掲示板の住人:

もし私が1920年代や30年代の世界に行ったとすれば、やめろと言われても街を歩き回るでしょう。

ジョンタイター:

私も同じです。初めて「スーパーマーケット」に行ったときは、泣いてしまいました。あれほどたくさんの商品が一度に同じ場所に並んでいるのを見たのは初めてです。

 

 2020年から始まったパンデミック騒動により国によってはスーパーマーケットから商品が消えるという現象が起きていましたし、2022年にはインフレにより商品の値段が高くなってきています。こういった現象の原因は過去の「物質主義的人間」たちにあると言えるのかもしれません。そしてジョンタイターは以下のように当時のアメリカ人たちにブチ切れています。

 

ジョンタイター:

本当に、未来についてまず知りたいのが「株価情報」なのですか?この時代の代表者としてそういう質問をするのがどういうことか、自覚していますか?現代は、無私無欲・博愛心・協調性のない時代として未来で語られていることを、知っておかれた方がいいでしょう。

 

今までに出た質問には、すべて何らかの形で答えています。私は戦争を起こすためにここへ来たとお思いですか?

 考えてみてください。あなたはタイムトラベラーで、時間をさかのぼって1941年へ行こうとしています。なぜなら、あなたの祖父母がハワイの真珠湾付近に住んでいるからです。戦争を止めることはできなくても、祖父母に心構えだけでもさせられるかもしれません。不思議なことに、127日が訪れても奇襲攻撃はありませんでした。ヨーロッパでの戦争が激しくなっても、日本は枢軸国の仲間に入らず、太平洋で戦いは起こらず、アメリカ合衆国は中立を保ちます。そしてドイツが独力で原子爆弾の開発を始めるところを目にするのです。

 見方を変えましょう。皆さんに質問があります。真剣に考えてください。過去1年半の間で、起こると予想し覚悟していたにもかかわらず、実際には起こらなかったこととは何でしょうか?

ジョンタイターの母親のメモ:

ジョンは2000年問題の話をしているのです。2000年問題が大した問題にならなかったとわかると、ジョンは3日間ぐらいずっと驚きうろたえていました。その後は非常に罪悪感を覚えた様子で、1975年のある出来事のためにこうなったのだと自分を責めていました。私としては2000年問題が起きなくてよかったと思うのですが、ジョンは、私たちにとって未来はさらに悪くなってしまったのだと言い張りました。

ジョンタイター:

 戦争に関しては、あなたたちは私などいなくても戦争を始める力は十分お持ちのようです。これに関する私の意見へのご批判は、つらいですが甘んじて受けましょう。私の生い立ちは、この世界線の皆さんとはまったく違うと思います。自己責任、決断力、名誉、友情、自立というのは、口先だけの言葉ではありません。頭の中で思うだけではなく、実行を伴う必要があるのです。

 私の世界線で生きていくのは容易ではありません。私たちの住む世界は、戦争や害毒、破壊、憎悪から回復する途上にあります。その原因はすべて、今この世界に生きる人々の考えや行動にあります。どんな株を買おうかと悩んだり、ある人間がインターネットでうそをついているのかどうかを気にしたりするようなそんな人々のせいなのです。

 人の性格やコミュニティは、苦労や困難によって育まれると思います。私の初めての戦争体験は、13歳でショットガン歩兵部隊に入ったときでした。「抵抗軍」として兵役に就いていた4年の間に、何百人もの人が撃たれ、焼かれ、血を流して死ぬところをこの目で見ました。フロリダ州ジャクソンビルに最初の核弾頭が落とされた瞬間、私はどこにいて周りで何が起こったのか、詳細まではっきり覚えています。無益な戦争で愛する人が死んだときに感じる悲しみや、どうしてもっと早く行動を起こして一緒に楽しい時間を過ごさなかったのかと悔やむ気持ちを、私は知っています。

 一体どうして、あなたたちがふっかけてきた議論について私を批判するのですか?私は毎日、あなたたちの社会が何をしているのかを見ています。あなたたちは憲法が踏みにじられるのを見過ごしながら、有毒とわかっているものを食べ、誰も必要としない製品を買い、周りで苦しみ死にかけている何百万もの人々から冷たく目を背けているのです。これが、あなたたちの認める「世界の慣行」なのですか?

 未来のことを1つお教えしましょう。向こうでは、あなたたちは嫌われています。この時代は、怠け者で自己中心的、無知で愚鈍な市民だらけだと思われているのです。私のことなどより、そちらを気にかけた方がいいかもしれませんね。

ジョンタイターの母親のメモ:

この日のことはよく覚えています。これほどジョンが腹を立てるのを見たことはありませんでした。何にそんなに怒っていたのかはわかりません。

 

 アメリカを破産させて破滅させた犯人は誰なのか考えたところ、それは日本だったのではないかと思うことがよくあります。というのもアメリカ国債を一番保有しているのが日本(と中国)だからです。

 黒船により強制開国させられた日本は多額の借金を背負わされ「からゆきさん」や「日清戦争日露戦争」で返済を強要されていました。アメリカに恨みを持っていた日本の上層部は太平洋戦争で反旗を翻しますが結果は惨敗してしまいます(太平洋戦争ですら借金返済のためのビジネスだったとする説もあります)。その後日本は損害賠償の支払いのため団塊の世代を作り出し、耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、人類史上例を見ない額のお金をアメリカに「朝貢」することになりました。

 日本はこの朝貢を自国が少子高齢化によって壊れるまで推し進め返済困難な金額をアメリカに貸し付けました。さらに中国に技術流出という名の技術供与を行いアメリカ国債を買わせてこちらも返済不可能な額にまで膨らませました。

アメリカ国債購入という名目でパワー(お金)を吸い取られる日本と中国のイメージ
(劇場版ドラゴンボールZ「激突!!100億パワーの戦士たち」より)
メタルクウラという敵キャラはこのパワー吸収のやり過ぎによって拠点がオーバーヒートを起こしてしまい、それが原因で敗北してしまう。右の頬を殴られて左の頬を差し出すことほど恐ろしい攻撃はないということか。

 借金を背負うことにより一番問題となるのは利子ですが、利子が定期的な返済額を上回ってしまった場合、債務者の破産は確定してしまいます。ジョンタイターの世界線で内戦が勃発したとされる2004年当時のアメリカの負債額(あくまでこの世界線の額ですが)は約8兆ドルでした。この額でもアメリカが地獄になるには十分だったのに、この世界線では2022年現在31兆ドルにまで膨らんでしまっており、国が消えてもおかしくない領域にまで達してしまっています。日本がアメリカ国債を爆買いしていた当時の橋本龍太郎首相は「アメリカ国債を売りたい」と発言した為に殺されたとする噂がありますが、アメリカを破産させたい勢力が日本の上層部にいたとするなら十分あり得る話だと思います。もちろん日本と中国は共にお金を貸すために相当無理をしてしまっているので、貸したお金が返ってこなかった場合は大変なことになります。そういう意味でも今後のアメリカの行く末から目を離すことができません。

 

 もちろんもっと視点を大きくすれば別の見方もできます。例えば宇宙よりも遥かに遠い場所(【隠された地平線の先にある世界(2)】宇宙よりも遥かに遠い場所 - ZL-P DISCOVERYを参照)を探索することを考えたとき、そのためには覇権国を作り世界のリソースをその国に集中させてNASAのような組織を作る方が効率的ですし、覇権国の消費期限が来たらその国を潰して(あるいは多極化させた後に)別の覇権国を作ってまたリソースを集中させるという方法がベストであると考えられます。このアメリカの破産は単純に覇権国切り替えのタイミングで起きるイベントと見なせなくもありません。この世界線ではアメリカの覇権を無理に延長させなければいけない理由でもあったのでしょうか。

 

 最後に以下のジョンタイターと掲示板の住人とのやり取りを持って今回の記事を締めたいと思います。

 

掲示板の住人:

これを読んでいるかもしれない世界の指導者たちに対して、何か言いたいことはありますか?

ジョンタイター:

今日の自信を大いに楽しみなさい。なぜなら明日は負けるからです。

 

掲示板の住人:

敵を見分けることはできますか?

ジョンタイター:

正当な法律上の手続きを踏まずに人を逮捕や拘束したりする人間が敵です。

 

掲示板の住人:

私たちに覚えておいてほしいことはありますか?

ジョンタイター:

お願いですから、目を覚ましてください。あなたの周りにある道しるべに目を向けてください。

 

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